こんにちは!感染者数はすごいことになっておりますが、今回も対面開催を狙っております!
さて、前回第88回は「日本戯曲で読む!キリスト教劇シリーズ」といたしまして、矢代静一『夜明けに消えた』を読みましたが、今回は「オリンピックだよ!ギリシャ劇集合シリーズ」に一旦戻りまして、ジャン・アヌイの作品を取り上げたいと思います!
ちなみに今後はしばらく、「ギリシャ劇シリーズ」と「キリスト教劇シリーズ」を行ったり来たりしながらのラインナップになるかと思います。どうぞお楽しみに!
第89回『本読み会/ジャン・アヌイ』
■作家
ジャン・アヌイ
■作品
『アンチゴーヌ』
翻訳:芥川比呂志
収録
『アンチゴーヌ−アヌイ名作集』
『アヌイ作品集〈第3〉(1957年)
■日時
9/9(金)17:30〜21:30
■場所
都内・文京区周辺
※詳細は参加者に個別にご連絡差し上げます。
※新型コロナウィルス感染対策についてはコチラをご覧ください。
■参加費
お一人様500円
※学生さんは無料です!参加申し込みの際に、“学割希望”をチェックしてください。
■作品について
ジャン・アヌイは、1910年フランス生まれ、20世紀を代表する劇作家の一人です。同じくフランスの劇作家ジャン・ジロドゥ(ギリシャ劇シリーズでも『トロイ戦争は起こらない』を取り上げましたね)に憧れて劇作を始めた彼は、非常に多作な作家で、様々なテーマと作風で数多くの作品を残しました。
そんな彼のたくさんの作品の中でも群を抜いて有名だと言えるのが、ジャンヌ・ダルクを描いた『ひばり』や、今回取り上げる『アンチゴーヌ』でしょう。どちらも世界中で(もちろん日本でも)上演が繰り返されている傑作です。
『アンチゴーヌ』は、1941年執筆、ドイツ占領下のフランスで初演を迎えました。“アンチゴーヌ”とは、ギリシャ悲劇中で最も有名なキャラクター、“オイディプス王”の娘で、兄の埋葬の是非を巡って叔父クレオン王から迫害を受けた人物です。ソフォクレスの描いた『アンチゴネー』をだと言った方が伝わりやすいかもしれません(ちなみにソフォクレスやアヌイの他にも、詩人ジャン・コクトーや劇作家ブレヒトもアンチゴネーを題材に劇作を行っています)。
アヌイは、ギリシャ神話中でもとりわけ有名なアンチゴネーのエピソードを、強力な自我を持つ英雄的神話的人物アンチゴーヌと、世俗的価値観の体現者とも言える現実主義者クレオンの対立・対決の物語として書き上げました。時代背景を考慮し、ナチスドイツに対するフランスの抵抗を重ねて読む向きも多いようですが、個人的にはもう少し本質的な、相容れない二つの価値観の決定的対立といった視点で捉えることもできる、深みのある作品だと感じています。
ちなみに私はクレオン派かも?笑
当日は二つの価値観のぶつかる対話を、皆で一緒に楽しめればと考えています。
■おねがい
『本読み会』は、皆様と戯曲の出会いを大切に考えております。図書館やインターネット等を利用し、戯曲はご自身で入手していただければ幸いです。(当ホームページの「戯曲の探し方」もご参照下さい。)
ですが、なかなか手に入りづらい戯曲が多いことも事実です。どうしても手に入らない場合、お早めにご連絡いただければ、当日テキストのコピーをご用意いたします(実費のご負担をいただきます)。
作品を事前に読んでくるかどうかは、参加者の皆様にお任せいたします。事前に一度目を通しておくと、物語の流れや構造を落ち着いて味わうことができます。読まずに参加した場合は、まるでお芝居を観ているかのように、物語の展開をハラハラドキドキ楽しむことができます。ご自由にお楽しみください。
■定員について
参加者一人ひとりがしっかりとセリフを読めるよう、毎回定員を設定しております。(定員数は戯曲によって変動いたします。)
申し込み多数の場合には、見学でのご参加をご案内させていただきます。
皆様のご参加をお待ちしております!
参加申し込みは以下の参加申し込みフォームをご利用ください。