去る3月30日(金)第34回『本読み会・劇場で読むアラバール!』が開催されました。
劇場で折込チラシを見た人、ホームページで知った人、口コミで誘われた人、劇を見に来ようと思ったらいつのまにか読んでいた人・・・などなど、『本読み会』史上最多、30名近くの方がお越し下さいました。
今回の戯曲は、スペイン人の劇作家フェルナンド・アラバール『戦場のピクニック』。アラバールは100本ほど戯曲を書いていますが、その中でも抜群の知名度を誇る代表作。
爆撃の轟音鳴り響く戦場に男ザポが一人。どういうわけか男の両親がやってきて、いつのまにか3人はピクニックを始める。そこへ、ザポとまったく同じ境遇の敵兵ゼポが登場して・・・という、アラバールの中のアラバール風、状況も関係もつかみどころをなくしてしまう劇作が炸裂しています。
登場人物はたった6名なので、3っつのグループに分かれてそれぞれの『戦場のピクニック』が同時に立ち上がりました。隠れ家のように活動してきた『本読み会』がグループ分けして会を進めるような日が来るとは・・・夢にも思わなんだ。隣からは別のグループの声が鳴り響く中、じっと耳をすませて相手の台詞を聞きながら本を読んでいく様は、まるで爆音が鳴り止まない戦場で静かにピクニックをする登場人物たちと重なるようでした。
そして、今回もう一つの目玉は、公演直前の劇場で本読みをしたということ。『本読み会』の直後、私たちの企画公演『建築家とアッシリアの皇帝』(これまたアラバールの代表作)の上演が行なわれたのです。舞台装置の中で、照明に照らされていると、いつのまにかアドレナリンが噴出するものなのでしょうか。初めて顔を合わせたとは思えない親密さと緊張感が混ざり合って、非常に熱気を帯びた会となりました。
次回『本読み会』は、5月ごろを予定しております。戯曲は清水邦夫の『狂人なおもて往生をとぐ』。詳細が決まり次第ホームページでもお知らせしますので、お見逃しなく。
そのあと行なわれた『建築家とアッシリアの皇帝』レポートは、次回更新でお届けします。こちらも熱い!