今回は大野がレポートします!
たくさんの方にお集まりいただき、無事読み終わりました。『あわれ彼女は娼婦』、いかがだったでしょうか。
シェイクスピアのほんの少し後の時代の作家ということで、シェイクスピアの影響が色濃く見える作家さんでしたね。なんかどこかで聞いたことあるような・・・というシチュエーションがチラホラ。きっと、シェイクスピアを失った後の当時のお芝居は、こういう形が定番だったのでしょう。
肝心のお話はというと、まるで昼ドラを見ているような、ドロドロとした、猥雑な物語。
兄妹の禁じられた愛というセンセーショナルなテーマで興味を引っ張り、色っぽい濡れ場やスリリングな復讐劇、コミカルな道化役まで、これでもかと盛り込んだエンタテインメント作品でした。
そうした混沌とした物語の中でキラリと光るのは、宗教や政治、主従や親子といった権力と、それに抵抗する者という構図かなと思います。強く大きくのしかかってくる息苦しい世界の中で、自由に息を吸おうとする戦いは、今読んでも強く訴える力があるものだと感じました。
ただの昼ドラでは終わらない。やはり古典として生き残った作品なんですねぇ。
さて、次回はもう2週間後。今度は日本の古典昼ドラ(?)『東海道四谷怪談』です。もう定員はいっぱいですが、見学は受け付けておりますので、是非遊びにいらしてください。
それでは。
(大野)
