新年度も目の前!シェイクスピア祭り 第94回『本読み会/シェイクスピア』レポート
喜劇なのか悲劇なのかよく分からない、シェイクスピアの「問題劇」。こうした違和感を語り合えるのも、新たな切り口でドラマを見つめる「本読み」ならではの面白さです。
喜劇なのか悲劇なのかよく分からない、シェイクスピアの「問題劇」。こうした違和感を語り合えるのも、新たな切り口でドラマを見つめる「本読み」ならではの面白さです。
二人っきりでいると思うとき、それは二人でひとつなのか?それとも孤独なひとりが二人いるのか?普遍的な問いが、短い言葉のやり取りから立ち上がってきます。
読み通して舌を巻くのは、その劇構造の複雑さ。2022年最後の『本読み会』は、「日本戯曲で触れる!キリスト教シリーズ」の集大成として、井上ひさし『珍訳聖書』に挑みました。
黄金の国と信じてやってきたこの国は泥沼の国だった。しかし・・・。
『本読み会』の送る「日本戯曲で触れる!キリスト教シリーズ」第二弾は、日本を代表するキリスト教作家、遠藤周作の戯曲を取り上げました。
自分の有限性に直面し、妥協せざるをえないこと。個人として納得いかなくとも、組織人として理解しなければいけないこと。ギリシャ悲劇を題材にしていることを忘れるほど、私たちの生活に密着した葛藤が描かれています。
俗なるものの葛藤や矛盾を認めながら、それでも信仰を必要とする人間たち。あくまで土着の生活に信仰を見出していく。これが矢代静一のたどり着いた宗教観でした。
有事の際には、普段では考えられない冗談のような出来事が起こるもの。ジロドゥが風刺したのは、個人の意志や欲求を超える、戦争という大きな機構でした。
年の最後はやっぱり本読み、しかも約2年ぶりの対面開催です!昨年からずっと延期になっていたギリシャ劇シリーズがようやく前に進みました。
万全のウィルス対策を講じて実施にこぎ着けた第85回『本読み会』。しかし、ユージン・オニールが描いたのは、人間と神との間の超濃厚接触ドラマでした。そして今回のレポートは、『本読み会』初の試み、松山→大野のリレーレポートです笑。