こんにちは。8月もようやく後半に入りましたが、まだまだ暑さは続きそうですね。みなさん、夏バテには気をつけてください!『本読み会』も、2016年はイベント続きのハイペース開催が続いているので、バテてしまわないよう気をつけたいと思います。。
という訳で、先日、第62回『本読み会・鶴屋南北』の開催も無事終わりました。お盆の時期に読む『東海道四谷怪談』はなかなか良かったですよー。開催レポートもまた近日中にアップする予定ですが、実は当日午前中、参加者の方々と一緒に四谷怪談ゆかりの地を回ってきましたので、今回はそちらのレポートをお届けしたいと思います。
さて、今回我々が訪れたのは、東京は四谷左門町にある「於岩稲荷田宮神社」と「於岩稲荷陽運寺」。
どちらも、お岩さんが祀られている神社/お寺で、今でも映画や舞台などで四谷怪談が上演される際は、関係者がお参りをすることで有名です。(於岩稲荷田宮神社は、中央区新川に移転していますが、四谷左門町の方も残っています)
※「於岩稲荷陽運寺」は公式ホームページもあります。
http://www.oiwainari.or.jp
・於岩稲荷田宮神社
まず最初に回ったのは、於岩稲荷田宮神社です。我々が訪れたのは土曜日の午前中でしたが、我々の他にも何人も参拝されている方がいらっしゃいました。
都心の一角にある、こじんまりとした神社。落ち着いた風情ある空間でした。
・於岩稲荷陽運寺
次は、於岩稲荷陽運寺です。陽運寺は、田宮神社のすぐお向かい。当然、皆さんセットで参拝していました。
お守りの販売や御朱印の扱いもあり、敷地は田宮神社より少し広いです。
”下町ライブラリー”なるものもありました。四谷怪談関係の本が揃っているのかな、と思って覗いでみましたが、全く関係ないラインナップでした笑。
・お岩さんは実在していた?
四谷左門町は、南北の『東海道四谷怪談』で、伊右衛門とお岩が暮らしていた場所。お岩が無念の死を遂げた現場でもあり、劇中でも重要な場の一つとなっています。実はこのお岩さんと伊右衛門さんご夫婦は、実在した人物。実際にこの場所に居を構えていたそうです。
「え、それじゃあやっぱり本当にお岩さんの祟りがあるのでは!?」
となってしまうかと思いますが、そこはやっぱり鶴屋南北の創作なんですね。本当のお岩さんは婿養子の伊右衛門さんと一緒に、傾いた家計を立て直したかなりの良妻だったそうです。田宮神社にも、陽運寺にも、丁寧な説明がありました。
こちらは田宮神社にあった立て札。
こちらは陽運寺のものです。
南北が『東海道四谷怪談』を書いたのは、実在のお岩さん/伊右衛門夫婦が没した200年もあとのことだそう。
南北は、奇想天外な怪談話にリアリティを持たせるために、実在のお岩さんらの名前を借りたのでしょうか・・・。タイトルに”東海道”などとつけて、いかにも「全然関係ない場所の話ですよ」という体を装っていますが、実在のお岩さんらからしたら、迷惑な話ですよね・・・。
それこそ祟られても文句言えなさそうな話だと思いました。
当日、参拝は30分もかからずに終わり、我々はその後昼食を取ってから、いざ本読みへと向かいました。ゆかりの地を回ってからの本読みと言って、何が変わるという訳でもないですが笑、もしかしたら無事開催を終えられたのは、お参りのおかげだったかもしれませんね。少なくとも、「ちゃんと行ってきたぞ」というような満足感はありました笑。
以上、本当に簡単にですが、レポートいたしました。1日通して楽しめたので、また日本の戯曲など扱う際は、こういったイベントを企画していけると良いかもしれませんね。頑張って企画していきたいと思います。
ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!
(大野)