今日から始まる新コーナー!主宰松山のイギリス観劇旅行記です。
新婚旅行にかこつけて芝居を見まくろうと旅立ってまいりました。こちらで観た演劇はもちろん、新婚旅行中のトラブルや成田離婚の模様など、サービスたっぷりにお送りします。
昨日の夕刻にイギリスへ到着し、さっそくスーツに着替えて繰り出したのはオペラ『ラ・ボエーム』
劇場はいわずと知れた老舗のロイヤル・オペラハウス。豪奢かつ趣きのあるこの劇場ですが、かつてはコヴェント・ガーデン劇場といって、ロンドンにたった二つしかない勅許劇場のひとつでした。
飛行機ではほぼ寝ずに座席に着いたので危ないかなと思いつつも、リアリズムの台詞劇かと思うほど精巧に作り込まれたセット、ハイレベルな歌声、そして声を絶妙に回す劇場機構に感心しながら、第一幕があっという間に終了。
こりゃ二幕以降も楽しみだわいと思って待っていると、20分くらい幕が開かない。さすがに客席もザワザワし始めると、スーツ姿のスタッフ登場。いわく、「機材系のトラブルが発生しましたが、なるべく早く再開いたします」とのこと。さらに10分後、「どうやっても直らないんで、いつもとちがう演出にして始めます」と強行突破。いかにも敏腕という感じの女性スタッフでしたが、テクニカルトラブルには勝てないね。『本読み会』の公演でもそんなトラブルが起こったことを思い出して、がんばれ女、と同情しました。
で、二幕始まってみると、なるほど不自然な舞台配置になっとる。やけにがらんとした空間があって、暗幕がむき出しのまま吊られとる。役者が一列にずらっと並んじゃって、後ろの方にいる人は完全に隠れとる。
『ラ・ボエーム』の二幕といえば劇中最も華やかな場面で、人もわんさか出るだけに難しい。しかも一幕が緻密に作り込まれていただけに、そのギャップがやけに激しいのです。
「あそこにたぶん階段あったんだろうな」
「鼓笛隊がもっと目立ってたんだろうな」
「舞台監督はあとで叱られるんだろうな」
そんなことを考えながら、人に埋もれて見えなくなった鼓笛隊を楽しんでいました。今日が千秋楽だっただけに、役者・スタッフの無念はいかばかりか。
それでも、私のようなオペラ素人には大満足の内容でしたが、トラブルとそれを取り巻く観客の様子を見られたのはちょっと貴重だったかもしれません。
第四幕でようやくセットが組めたときには、幕が上がっただけで大拍手でした。俺もつられて拍手したけど、そこは、甘やかしちゃいかんよ。
イギリス観劇旅行記、波乱の幕開け。
はじめまして。
ロドルフォを歌ったヴィットリオ・グリゴーロのネットで追っかけブログを開設している者です。
せっかくの伝統的舞台の「ボエーム」で屋根裏部屋しか見られなかったとは残念でしたね。こちらの記事を勝手にリンクさせて頂きましたのでお知らせします。もしご迷惑でしたらお知らせ下さい。
ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!