ギリシャ劇シリーズ⑥第89回『本読み会/ジャン・アヌイ』レポート
自分の有限性に直面し、妥協せざるをえないこと。個人として納得いかなくとも、組織人として理解しなければいけないこと。ギリシャ悲劇を題材にしていることを忘れるほど、私たちの生活に密着した葛藤が描かれています。
自分の有限性に直面し、妥協せざるをえないこと。個人として納得いかなくとも、組織人として理解しなければいけないこと。ギリシャ悲劇を題材にしていることを忘れるほど、私たちの生活に密着した葛藤が描かれています。
ジロドゥに憧れて劇作を始めたアヌイ。彼は、多くの作家が翻案に挑んだギリシャ神話のアンチゴネーのエピソードを、強力な自我を持つ英雄的神話的人物アンチゴーヌと、世俗的価値観の体現者とも言える現実主義者クレオンの対立・対決の物語として書き上げた。
俗なるものの葛藤や矛盾を認めながら、それでも信仰を必要とする人間たち。あくまで土着の生活に信仰を見出していく。これが矢代静一のたどり着いた宗教観でした。
日本の戯曲を通してキリスト教文化に触れてみようという新企画!キリスト教をテーマにした戯曲、キリスト教を信仰する作家の書いた戯曲など、少しずつ読んでいければと思っています(主催は素人ですが・・・)。第一弾は矢代静一を取り上げました。お楽しみに!
どこまでも自身の欲望に忠実なサロメと、俗人代表エロド王の対比。清濁合わせ持つワイルドの世界観は、倫理の入り込む余地を一切与えません。
久々のonline;シリーズは、オスカー・ワイルドの『サロメ』!新約聖書のエピソードを繊細な感受性で紡ぎ直したこの作品。濃密な2時間で味わってみませんか。
有事の際には、普段では考えられない冗談のような出来事が起こるもの。ジロドゥが風刺したのは、個人の意志や欲求を超える、戦争という大きな機構でした。
あけましておめでとうございます!年明け最初のご案内は、ギリシャ古典劇とギリシャ劇翻案作品を扱ったシリーズ企画『オリンピックだよ!ギリシャ劇集合』の第五弾!フランスの劇作家ジャン・ジロドゥを取り上げます!
年の最後はやっぱり本読み、しかも約2年ぶりの対面開催です!昨年からずっと延期になっていたギリシャ劇シリーズがようやく前に進みました。