今朝はバイキングの朝食がやけに豪華で、サラミばかり食べました。味はそんなに美味しくないんですけどね。そろそろ納豆ごはんが食べたくなってきました。
今日はシェイクスピアの『マクベス』。400年以上ヒットし続けているモンスター戯曲で、今期もロンドンの話題作。主演はジェームズ・マカヴォイ。僕は見たことありませんが、映画『Xメン:ファーストジェネレーション』にも出ているとか。ともかく実力派の俳優だそうです。
出向いたのは、ご存知トラファルガー広場のすぐ近くに居を構えるトラファルガー・スタジオ。ここの客席はものすごい傾斜をしていて、普通に座っていても2階から見下ろすような感じ。だから前の人の頭で舞台が見えないということがないんですね。客席数もそんなに多くなく、舞台と観客の親密度がほどよく保たれる劇場でした。いつも話題の作品を提供しつづけているので、機会があったら行ってみては?
舞台は現代の戦場に設定されて、イラクやアフガニスタンで繰り広げられる対テロ戦争を連想させる美術と衣裳。それぞれの城は軍の陣営やキャンプに置き換えられ、登場するのはガスマスクを装着した魔女と血まみのマクベス。終始「血」そして「血痕」が拭い去れないというイメージが点在します。血を洗い流せないのはマクベス夫人だけではないのですね。
マカヴォイのマクベスは、人がどうやって「独裁者」に成り果てるのか、その過程を緻密に描いた人物造形でした。何かのきっかけがあって独裁者になるのではなく、独裁者のポストを得ることによって人格が変貌していく様子が、幕ごとにエスカレートしていきます。また、マクベス夫人が毅然としているというより常に揺れ動いている演技だったため、マクベスの変貌ぶりがより際立ったのかもしれません。
ジェームズ・マカヴォイは間違いなくタイトルロールを張るに足る俳優でした。今まで『マクベス』は何本も観ましたが、いきなりランキング1位に登りつめてしまった。やっぱり年のいった上手い俳優はいいな、と思ってパンフレットをみてみると、
33歳。同い年じゃねーか!やるな、マカヴォイ野郎。