『本読み会』online;が始まるよ!
コロナウィルス感染拡大により、泣く泣く第84.5回こっそり『本読み会/アリストパネス』の開催を中止して以来、『本読み会』ではまずは主宰二人でのオンライン本読みの試行、そしてお試し!オンライン『本読み会/チェーホフ』の開催、そしてその録画記録の再確認と、何度も機会を作っては、オンライン本読みで一体何が起こっているのか、そのことをじっくりと考えてきました。
やはり生身で集まって本読みをするのとは、別物でした。自分が発信しているもの、表現しているものは、本当に他者に届いているのだろうか・・・実際に集まって空間と場を共有していた時には迷いなく信じられていたことが、オンラインに場を移すだけで、不確かな、覚束ないものになってしまうのです。今更ながら気付かされましたが、今まで我々は、戯曲を声に出して読むことそのものに楽しみを感じていたのではなく、戯曲を読んで感じたものを自分の身体と声とを使って表現し、そしてそれを他者と分かち合い共有することをこそ楽しんでいたんですね。戯曲の本読みは、我々が思っていたよりもずっと演劇そのものに近い行為だったのです。戯曲から感じたものを声に出しても、物語をイメージしても、それが他者と共有できているのかどうか、いまいち確信が持てない・・・オンライン本読みの難しさは、そこにありました。
ただ、じゃあオンラインでの戯曲の本読みは不可能なのかと言えば、そのようには感じませんでした。オンラインという場であっても、そこに集まった他者を全く感じられないなんてことはありませんでしたから。そこにはやっぱり戯曲を読むために集まった人たちがいましたし、少なくともセリフをやりとりし、戯曲について話をすることもできていました。それに、よく考えてみれば、リアルで他者と会っている時だって、我々が何かを本当に共有できているのかどうか、それは誰にも分からないことです。もしかしたらそれは程度の差であって、どちらもただの誤解と言えるものなのかも・・・。大事なのは、我々がその共有を“信じられるかどうか”、そこなのかもしれません。
一体、我々は本読みを通して、何を共有していたんでしょう?我々の拠りどころとなっていたのは、“戯曲”と“言葉”でした。戯曲を声に出して読んだ時に、むくむく、もくもくと立ち上がってくるあのイメージ。登場人物の声や想い、作家の感性や思想、参加者同士で手探りで作り上げていく物語の世界。場がオンラインに移ったって、戯曲も言葉も共有は可能です。あとはそれぞれの身体や視線、息遣いや熱量、緊張といったものを、なんとか工夫して捉えあって、きっと伝わっている、伝わってきていると思い込んで読んでみたならば、何だかそれはそれでまた別の、面白い本読み、新しい物語の共有が成立するんじゃないか、そう考えるに至りました。
いや待てよ?オンラインならば、全国大会だって、世界大会だって、バンバン開催可能じゃないか!これはもしかしたら、チャンスなのかもしれません。人と人とが会って話すという単純なことができない状況はやはり寂しいものですが、できなくなったことばかり考えていても仕方ないですし、今できることをなんでも試してみて、更にパワーアップした楽しみを見つけてやろうと思っています。
という訳で、コロナ新時代に合わせて進化した(というか、これから進化していくはずの)、『本読み会』online;が始まります。戯曲を読む楽しみ、一緒に盛り上げていきましょう!
※ページ最下部には、第1回開催情報のリンクもあります。皆様のご参加お待ちしております!
『本読み会』online;について。
☆時間は2時間、読むのは短編。自宅から気軽にご参加いただけます!
『本読み会』online;は、開催にZoomミーティングを利用します。ご自宅からお気軽にご参加いただけるよう、開催時間は2時間に短縮しました。ご自宅での本読みになりますと、たとえばご家族からお声がかかったり、宅配便が届いたりということもあるかもしれません。そうした場合には、遠慮なく中抜けしていただいてOKです。気楽に構えていただいて、フォローはこちらにお任せください。
戯曲については、2時間でも十分に読み切れる短編戯曲を中心に扱っていく予定です。短編戯曲には、長編とはまた違った魅力がたっぷり。実は名作も数多いのですが、“すぐに読み終わってしまう”というその一点がネックとなって、これまで『本読み会』では、ほとんど扱ってこれませんでした。短時間での開催となるオンラインは、そこが逆にメリットになり得ます。短編ならではの面白さ、短編だからこその面白さを、『本読み会』online;で是非味わってみてください!
ちなみに戯曲の選定については、青空文庫に収録されているものや、ネットで簡単に購入できるものなど、参加者が入手しやすい作品を選んでいく予定です。今までにない気楽さで参加できる『本読み会』、それが『本読み会』online;です!
☆2つの進行パート、2つの参加タイプ
『本読み会』online;は、会話や意見交換をするための「サロン 」パートと、実際に戯曲を読んでいく「本読み」パートとの二つのパートを、交互に繰り返すかたちで進行していきます。
「サロン」パートは交流が主な目的ですので、全参加者に同じ立場でご参加いただきますが、「本読み」パートでは、セリフを実際に読んで楽しむ「読み手」参加と、セリフは読まずに聞いて楽しむ「聞き手」参加の2つの参加タイプのどちらかでご参加いただきます。「読み手」で参加すれば“戯曲を読む”楽しみを、「聞き手」で参加すれば“戯曲を聞く”楽しみを、それぞれ味わっていただけます。お好みでお選びください。
ちなみに「読み手」のご参加には、定員を設定する予定です(配役できる人数に限りがあるため)。「読み手」ご希望の方は、お早めにお申し込みいただければと思います。
☆参加費は無料!
こんな状況ですし、しばらくは無料でご案内いたします。ただ、Zoomミーティングの有料アカウント契約など、経費もかかってはいるので、そのうち参加費等を設定するかもしれません。その時は、どうぞ応援よろしくお願いいたします!
☆参加までの流れ
まずは①ウェブサイトから参加をお申し込みください。翌日までに、こちらから②Zoomミーティングへの招待URLを記載したメールを返信いたします。その後は戯曲を用意したり、必要な機器を揃えたり、③当日まで各自準備を行ってください。あとは④開催当日、招待URLにアクセスするだけで、簡単にご参加いただけます。事前準備については、以下をご参考ください。
☆事前に必要な準備
・パソコンorスマホ
カメラ/マイク/スピーカーの付いたパソコンorスマホをご用意ください。スクリーンサイズは大きければ大きいほど快適です。スマホでも参加は可能ですが、参加者の最大表示数が4人までになってしまうことなど、多少不便を感じるかもしれません。パソコンでのご参加を推奨いたします。マイクやイヤホンについては、PCやスマホに内臓のものより独立したものをお使いいただく方が、より快適に参加できるようです。お持ちの方は、ぜひ使ってみてください。
・Zoomアプリ
Zoomミーティングはウェブブラウザからもご利用が可能ですが、安定した利用のためには、アプリ取得を推奨いたします。お使いのデバイスからZoomミーティングへの招待URLにアクセスすると、アプリ取得画面が開きます。Windows、Mac、iOS、AndroidのそれぞれのOSに対応しておりますので、ぜひ事前に取得されることをお勧めいたします。
・ネット環境
Zoomミーティングにモバイル接続を行った場合、1時間ごとに約500MBの通信量を消費します。YouTube等でSD画質の動画を見るのと同じくらいの消費量です。当日は、光回線等の固定ネット環境がある場所でのご利用をお勧めいたします。
・事前の接続テスト
事前に招待URLにアクセスすることで、Zoomミーティングへの接続(待合室への接続)を確認することが可能です。ご使用予定の機器で接続のテストを行っておくことをお勧めいたします。また、当日は開始30分前からZoomミーティングを開場しております。不具合が起きないかどうか、早めの確認をお勧めいたします。不具合が発生した場合、ご相談に乗ることは可能ですが、当日は十分な対応を行うことは難しいかもしれません。ご了承ください。
・機器の充電
当日充電が切れてしまい慌てることのないよう、予めデバイスやイヤホン等の充電残量を確認しておくことをお勧めいたします。
『本読み会』online;参加ガイド
『本読み会』online;では、開催当日のスムーズな進行と快適な本読み体験のため、参加のためのガイドをご用意いたしました。以下、事前に目を通していただき、当日はガイドに沿ってお楽しみいただければと思います
①お名前の登録について
Zoomミーティング接続の際、お名前をご登録いただくことになります。混乱を回避するため、『本読み会』にお申し込みいただいた際のお名前でご登録いただければと思います。本名でなくても構いませんが、参加者同士、お互い呼びやすい名前が良いでしょう。
②「サロン」パートについて
『本読み会』online;は、大きく分けて2つのパートで構成されています。一つ目は「サロン」パートです。「サロン」パートは、参加者全員で会話や意見交換をするための時間ですので、参加者全員が音声とビデオの両方をオンにしている状態が理想です。中には、顔は出したくない、静止画で参加したいという方もいらっしゃるかもしれませんが、『本読み会』online;では、参加者同士顔の見える関係性を大事にしており、極力ビデオオンでご参加いただくことをお願いしております。家の中の様子が見えてしまうことに抵抗がある方は、Zoomミーティングのオプションとして「バーチャル背景」もご利用可能ですので、ご検討ください。
③「本読み」パートについて
もう一つの「本読み」パートは、実際に戯曲を読んでいくための時間ですので、読み手として配役された方以外は、音声はミュート、ビデオはオフに切り替えていただきます。そうすることで、セリフ以外の音や声が入り込んでしまうことを防ぐことができますし、さらに参加者が「ビデオ以外の参加者を非表示」の設定にすれば、画面に読み手だけを表示することが可能となります。より戯曲の世界を堪能するための仕掛けとして、是非ご協力いただければと思います。
④画面表示モードの切り替えについて
Zoomミーティングの参加者は、それぞれ「ギャラリービュー」(参加者全員を画面に表示するモード)と、「スピーカービュー」(発話中の参加者だけを画面に表示するモード)とを、選んでご利用いただくことが可能です。「サロン」パートでは全員の顔が見えるギャラリービューがお勧めですが、「本読み」パートでは、どちらのモードにしてもそれぞれ楽しめるのではないかと思います。ちなみにスマホで参加された場合は、ギャラリーモードで一度に表示できる人数の上限が4名になってしまいますので、「サロン」パートでもスピーカービューをご利用いただいた方が快適かもしれません。その辺りは各自ご判断ください。
⑤「サロン」パートでの会話について
「サロン」パートの醍醐味は、参加者同士の意見や感想の交換にあります。それぞれ感じたことや考えたことなどを、自由に活発に、やり取りしていっていただければと思いますが、オンラインでのやり取りの場合、なかなか発言のタイミングが掴めずに躊躇してしまったり、うまくリアクションが挟めずに沈黙してしまったりということもあるかもしれません。そうした際は、Zoomミーティングに付属の様々な機能を活用していただければと思います。
例えば、自分が発言したい時などには、「手を挙げる」機能が便利です。挙手マークが画面に表示されますので、ファシリテーターから話を振ることが可能です。もちろん、手を挙げずに発言してはいけないということではありませんので、質問に対する反応など、流れで話したい時は、遠慮せずにどんどん発言してくださって構いません。また、わざわざ発言するほどでもないと感じるようなちょっとしたコメントなどは、「チャット」機能で共有していただくことも可能です。
他参加者の発言に対しては、「リアクション」機能を使ってみたり、画面上でも相槌を打つようにするなど、積極的に「聞いてるサイン」を出していただけると嬉しいです。オンラインでのやり取りの場合、相手に自分の発言が伝わっているかが分かりにくく、発話者は不安を感じがちです。一人ひとりの参加者が、いつもよりほんの少し積極的にリアクションすることが、安心で活発な「サロン」を作ることにつながります。どうぞご協力お願いいたします。
※Zoomミーティングの使い方に関する内容については、ここで読んだだけではなかなか理解できないかと思います。当日会が始まってから、再度ご案内し、練習の時間も取る予定ですので、どうぞご安心ください。
⑥飲食や服装について
開催中の飲食や服装など、お酒も含めて基本的には自由です。せっかくお家からご参加いただくのですから、リラックスして楽しんでいただければと思います。ただ、飲食の音や酔いなど、他参加者の迷惑になるようなことだけはないようご配慮ください。自宅からのご参加とは言え、オンライン上もまた社会的な場であることは頭の片隅に留めておいていただければと思います。
以上、長くなってしまいましたが、『本読み会』online;についてご案内いたしました。
続きましては、早速、『本読み会』online;1(岸田國士)についてのお知らせです!皆様のご参加、心よりお待ちしております!
→『本読み会』online;1(岸田國士)告知ページ