世の流行りにはしっかり便乗していくのが、『本読み会』の流儀です。2020年は、東京オリンピック開催の年。この一大イベントを逃す手はないと、特別イベントを企画いたしました!
名付けて、『オリンピックイヤーだよ!ギリシャ劇集合』。
ギリシャ古典劇の三大詩人(アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス)それぞれの代表作はもちろんのこと、その後の時代の劇作家たちによるギリシャ古典劇の翻案作品などを、一年間かけて読んでいこうというシリーズ企画です。
企画のネーミングは昭和センスですが、中身は令和新時代に相応しい(?)バイタリティ!
2020年の『本読み会』を、どうぞお見逃しなく!
まさかこんなことになるなんて!新型コロナウィルス感染拡大による影響で、こちらのシリーズどころか、オリンピックまで延期となってしまいました。
なかなか先の見えない状況ではありますが、こちらのシリーズも何らかのかたちで継続していければと考えております。以下の情報も少しずつ更新していくと思います。応援よろしくお願いいたします!
※古代ギリシャ演劇についての簡単な紹介は、コチラから。
作品ラインナップ
①アイスキュロス『供養する女たち(コエーポロイ)』
→【2020/1/18、第84回実施】
:紀元前458年、古代ギリシャのディオニソス祭で上演された『オレステイア三部作』の第二部。悲劇三遍とサテュロス劇の全四部構成で上演された古代ギリシャ劇の中で、悲劇三遍が揃って現存しているのは、唯一『オレステイア』のみ。アトレウス家の呪われた運命の歴史を、壮大な悲劇として描く。
→開催告知 →開催レポート
②ジャン・ポール・サルトル『蠅』
→【2020/2/15、第84.5回 実施】
:20世紀を代表する思想家・哲学者・作家であるジャン=ポール・サルトルが、アイスキュロス『オレステイア三部作』に題材を取り、1943年ドイツ占領下のパリで上演した作品。サルトルは、アトレウス家の呪われた運命の物語を、神の意志からも自由であり得る人間の物語として再構成した。
→開催告知 →開催レポート
③ユージン・オニール『喪服の似合うエレクトラ』三部作より、第一部『帰郷』
→【2020/3/7、第85回実施】
:アメリカ現代演劇の父であり、ノーベル文学賞受賞作家であるユージン・オニールが、アイスキュロス『オレステイア三部作』を翻案した渾身の一作。原作の複数のキャラクターを限られた登場人物の中に重ね描いていくことで、愛憎の関係を人間の抱える強烈な葛藤として表現した。当日は三部作の中から、物語の導入となる第一部『帰郷』を扱う。
→開催告知 →開催レポート
④アリストパネス『女の平和』
→【開催延期の後、2021/12/4、第86回実施】
:シリーズ中唯一のギリシャ“喜劇”作品。ペロポネソス戦争に苦しむアテナイの街で、喜劇作家アリストパネスが高らかに謳いあげたのは、戦争に嫌気のさした女性たちが男性に対してセックス・ストライキを行うことで戦争を終結させるというお色気反戦劇だった。発想が実にくだらない素晴らしい!
→開催告知(旧) →開催告知(新) →開催レポート
⑤ジャン・ジロドゥ『トロイ戦争は起こらない』
→【2022/1/28、第87回実施】
:ギリシャ神話の中でもとびきり有名なエピソードである「トロイ戦争」。フランスの外交官でもあった作家ジャン・ジロドゥは、第二次大戦勃発の匂い立ち込める祖国を開戦前夜のトロイに重ね、戦争の惨禍から祖国を守ろうともがく者たちの姿を、“喜劇”として描き上げた。
→開催告知 →開催レポート
⑥ジャン・アヌイ『アンチゴーヌ』
→【2022/9/9、第89回実施予定】
:ジロドゥに憧れて劇作を始めたアヌイ。彼は、多くの作家が翻案に挑んだギリシャ神話のアンチゴネーのエピソードを、強力な自我を持つ英雄的神話的人物アンチゴーヌと、世俗的価値観の体現者とも言える現実主義者クレオンの対立・対決の物語として書き上げた。
→開催告知
以下は、まだ開催未定のラインナップです。
・鄭義信『たとえば野に咲く花のように』
→【開催延期、未定】
:劇作家・鄭義信はエウリピデスの悲劇『アンドロマケ』の中に、愛憎の四角関係、そして多くのものを奪い去る戦争の姿を見た。1951年、F県H港そば、とある場末のダンスホールを舞台に、人々の“戦後”が描かれる。『焼肉ドラゴン』『パーマ屋すみれ』とともに、朝鮮・韓国と日本の戦後史を描いた三部作の一作としても知られる作品。
→開催告知(旧)
・ラシーヌ『アンドロマック』
:17世期フランスにも、“アンドロマケ”の物語に挑み、華々しい成功を収めた作家がいた。古典主義作家ジャン・ラシーヌは、激情に突き動かされ破滅に向かう人々の姿を、美しい詩の中に表現している。時代を超えて愛される物語と詩の力を味わえる傑作。
・ソフォクレス『アンティゴネー』
・井上ひさし『日の裏姫物語』
・エウリピデス『トロイアの女たち』