ご挨拶をするにはだいぶ遅くなってしまいましたが、皆様、あけましておめでとうございます!
本年も、『本読み会』をどうぞよろしくお願いいたします!
さて、2018年最初のホームページ更新ですが、私(大野)が年末年始に行って参りました、プラハ・ロンドン年越し観劇旅行を簡単にご報告したいと思います!
実はロンドンには、1年ほど前(2016年11月)にも芝居を観に行ってきているんですよ。その際は以下のような記事をアップしているので、読んでくださった方もいらっしゃると思います。
ロンドンで芝居を観てきたよ!(ロンドン観劇レポート前編)
ロンドンで芝居を観てきたよ!(ロンドン観劇レポート中編:ロンドン観劇ガイド編)
ロンドンで芝居を観てきたよ!(ロンドン観劇レポート後編:芝居の感想編)
3本全部読むとかなり長いですね・・・。
ロンドンの演劇文化についてや、チケットの予約の仕方などについては、上記記事の中に書いているので、今回はそういった部分は端折って、私が観た芝居を写真を中心に時系列で並べながら、簡単にコメントしていく形にしたいと思います。
では、早速参りましょう!
まずは、2017年内に観た4本を紹介する、前編です。
※後編はこちらです。
写真で観る!プラハ・ロンドン年越し観劇旅行(後編・2018年編)
プラハにて
今年は、ロンドンに行く前に、3日間だけチェコの首都プラハ観光をしてきました。その中で、チェコ名物の人形劇を観てきたので、簡単にご報告。2017年12月28日 ソワレ
『ドン・ジョバンニ』
@国立マリオネット劇場
プラハ市内には、中心的なマリオネット劇場は2つあるようです。劇場外観を撮り忘れてしまったのですが、こちらは国立の劇場。演し物のレパートリーは『魔笛』『ドン・ジョバンニ』のようです。もう一軒のマリオネット劇場も『ドン・ジョバンニ』の様子。操り人形でモーツァルト作曲のオペラをやるのが、チェコの定番なんでしょうか。
生きるマリオネットのような爺さんからチケット(1枚590チェココルナ/3,000円と少しくらいですかね)を買い、中に入ると、正面に劇場。左右にクロークと売店が。
肝心の芝居ですが、人形遣いの技術がすごかったです!
人形の動きもそうなんですが、人形遣いの手の動きが舞踏のような滑らかさで、美しかった・・・。
人形劇は、人間が演じるお芝居とは違い、より虚構性が際立つなと感じました。半分隠れているとは言え、常に人形遣いの存在が感じられるので、「これはお芝居ですよ〜」「演じてますよ〜」ということが目に飛び込んでくる。ブレヒトの異化効果ですね。
さすが伝統のチェコ人形劇。演出もそれを意識したものになっていて、人形らしい動きを強調したり、人形遣いをわざと舞台上に出してみたりと、色々工夫がされていました。歴史を感じます。笑いもふんだんに散りばめられていて、休憩含めての2時間、飽きのこない展開でした。
ちなみに今回、私は出発前からマリオネットをお土産で買おうと思っていたので、翌日は観光がてら、マリオネットのお店をいくつか見て回りました。
ちょっと奮発して、良いヤツを買ってきましたよ・・・。
ロンドンにて
さて、12月30日から、年をまたいだ1月6日まではロンドンに滞在したのですが、ロンドンはもう3回目なので、観光はほんの少ししかしないで、ほとんど観劇で過ごしました。2017年12月30日 マチネ
『Oslo』(National Theatre)
@Harold Pinter Theatre
ナショナルシアターの作品で、2017年トニー賞のベストプレイ賞を受賞している作品で、これは観ておこうと、出発前から目をつけていた作品です。ちょうどこの日が千秋楽で・・というより、千秋楽にギリギリ間に合うように旅行日程を調整したのでした。芝居は、1993年にイスラエルとパレスチナの間で交わされた「オスロ合意」を扱った政治ノンフィクション。正統派のセリフ劇でした。
普通に観に行ってたら、全く英語が理解できずに撃沈のパターンでしたが、今回は事前にKindleで英語戯曲を購入し、読んでいったので、全く問題なし。芝居として取り立てて珍しいことをしている訳ではないのですが、役者たちの熱演と、「全て実話」ということに非常に感動させられました。オスロ合意以降も続く中東の混乱の歴史を知っているだけに、ラストの問いかけが深く突き刺さります。ベストプレイ納得の一本でした。
こちら、パンフレットを買おうと思ったら、売り切れてしまっていたんですよ。かなり残念でした・・・。
2017年12月30日 ソワレ
『GLENGARRY GLEN ROSS』(AMBASSADOR THATRE GROUP)
@Playhouse Theatre
『オスロ』を観た日の夜は、デビット・マメット作『グレンギャリー・グレン・ロス』を観て来ました。劇場はプレイハウスシアター。私は初めて行った気がします。『グレンギャリー・グレン・ロス』は、タイトルだけは知っていましたが、話の内容は知らなかったので、できれば事前予習をしたいなぁと考えていました。
戯曲を読んでおくことができなかったのですが、実はこの作品、『摩天楼を夢みて』という邦題で1992年に映画化されているんです。アル・パチーノ、ケビン・スペイシー、エド・ハリス等々、名優がバンバンキャスティングされている作品です。これを字幕付きで事前に見ておこうかと思ったのですが・・・この作品、ネット配信されていないんですね・・・。
仕方ないので諦めて、映画のあらすじだけ読んで、観劇に臨みました。
結果、惨敗でした笑。ちなみに主演がクリスチャン・スレイターだったんですが、彼を始め登場人物みんなすごい早口なんですよ。ほとんど英語が頭に入ってきませんでした。
ただ、俳優たちは皆かなり良い芝居をしていて、人物の関係性はグイグイ入ってきます。周りのお客さんたちは、かなり笑っていましたね。羨ましかった・・・。終演後はスタンディングオベーションで、俳優さんたち絶賛されてました。英語、理解したい・・・!
2017年1月31日 ソワレ
『YOUNG FRANKENSTEIN』
@Garrick Theatre
2017年大晦日。さすがに大晦日となると、やっている芝居がかなり限られてきます。ただ、ロングランを中心にミュージカルは上演していました。私は、ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』を選択。もともと有名な映画作品なので、知っている人も多いと思います。ゴシックホラー『フランケンシュタイン』をパロディにしたコメディですね。
僕は映画観ていなかったのですが、事前にあらすじだけさらっていきました。
結果、バッチリ理解できました!
本当にどこも難しいところのないおバカな話で、ギャグもドリフのような古典的なものから、くだらない下ネタまで満載です。もう笑いすぎて死にそうでした。
ただ、やっぱりすごいのは、俳優陣のレベルの高さです。歌も上手いし、くだらないギャグにも120%の技術と熱意を注いで演じているのが手に取るように分かりました。尊敬します。
ものすごい満足感、多幸感で、大満足でした。予習の甲斐があったな、という感じですが、多分あらすじ知らなくても理解できただろうと思います。場面の展開が視覚的に切り替わるし、ミュージカルは歌ってセリフを繰り返してくれるから、内容が理解しやすいんですね。英語弱い人には、ミュージカルがやはりオススメなのかもしれません。
あとひとつ気になったのは、「大晦日は一緒にミュージカルを見て過ごしましょうね!」という感じで来ている大家族が客席近くにいたんです。小学校低学年くらいの子供とかっこいいおじいちゃんが並んで座ってて微笑ましい感じなんですが、かなり露骨な下ネタがバンバンあったので、家族で観てて気まずくならないのかな・・・とか心配になってしまいました。余計なお世話ですけどね!
あと、隣に座ってた、一人で来ているすごい太った20代後半くらいのお兄ちゃんは、同じネタ(馬がいななくところ)のかぶせで何度も大笑いして満足そうでした。僕もこの芝居は一人で観てたんですが、孤独な客にも優しいコメディです。お兄ちゃん、良かったよ、楽しんでくれてて。余計なお世話ですけどね!
さて、2017年に観た4本を紹介する前編は以上です。いかがだったでしょうか。
今回紹介した芝居の大体の金額は、
『ドン・ジョバンニ』が3,000円、
『オスロ』が7,000円(安めの席)、
『グレンギャリー・グレン・ロス』が3,800円(安めの席)、
『ヤング・フランケンシュタイン』が7,500円
って感じでした。
ちなみにロンドンのパンフレットは大体1,500円くらい。
これにビールとアイスと・・・
やはり金がかかりますね・・・。
さて、気を取り直しまして!後編では年明け2018年に観た6本を駆け足で紹介していきます。
ナショナルシアターの芝居で衝撃的傑作が続き、レベルの高さを思い知らされた正月でした・・・!
それでは。
※後編はこちらです。
写真で観る!プラハ・ロンドン年越し観劇旅行(後編・2018年編)