※第65回『本読み会・ミュラー』は、参加申し込みが定員に達しました。今後は、見学でのご参加のみ、申し込みを承ります。
皆さん、『読んで楽しい!現代戯曲』シリーズを覚えていますか?「”現代戯曲”って一体なんだろう?」そんな素朴な疑問への答えを見つけるべく、いろんな”現代戯曲”をひたすら読んでいこう!と企画された長期開催イベントです。
→長期開催イベント『読んで楽しい!現代戯曲』のお知らせ
→『読んで楽しい!現代戯曲』特集ページ
特集ページのレポート等がかなり中途半端になってしまっていますが・・・笑。
まあ、そんなことは気にしない!とりあえず、現代戯曲を読んでいけばいいのです!
(レポート、そのうち頑張って書き足しますね!笑)
さてさて、2015年に開始したこのシリーズでは、約1年ほどをかけて、
「第一期 〜戦争が終わってから、パソコンが出るまで編〜」
として、1945〜1975年の間に書かれた以下の7作品を扱いました。
1;アーノルド・ウェスカー『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』(1960)
2:三島由紀夫『朱雀家の滅亡』(1967)
3:ウジェーヌ・イヨネスコ『犀』(1960)
4:ハロルド・ピンター『バースディ・パーティー』(1957)
5:テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』(1947)
6:三好十郎『冒した者』(1952)
7:特別上演企画 エドワード・オールビー『動物園物語』(1958)
この時期の戯曲は良い作品が本当に多いので、「なんであの作家のあの作品が入っていないの!」とお叱りを受けそうですが、でもまあこの7作品、自分で言うのもなんですが、なかなか良いラインナップだと思います。
やっぱり続けて読んでみると、いろいろ感じるものがありました。どの作品も、全体主義や資本主義など、システマティックに大きく動いていく世界の中で、個々の人間が生きるということはどういうことなのかを問うている作品だと言えるのではないでしょうか。大きな社会と、小さな個人、この対比が、この時期の『現代戯曲』の一つの大きな特徴だったように思います。
さて、第一期の開催後、反動から古典戯曲を数本読んでみたり、松山がロンドンに行っていたりで、しばらくイベントから離れてしまっていましたが、そろそろイベント後半戦にあたる、
「第二期 〜パソコンが出てから、今日まで編〜」
を始めたいと思います!
第二期は、1975年以降の戯曲です。せいぜい、ここ30年に書かれたものなので、まだ歴史のフィルターを通っていない作品が多いです。いいものも悪いものもごちゃごちゃ溢れかえっている中で、「この時代だからこそ」と感じられる戯曲、50年後の『本読み会』でも選ぶであろう作家と作品を読んでいければと思っています。
さて、前置きが長くなりましたが、その第一弾として、まずはこの一作を選ばせていただきました。『本読み会』で扱いきれるかどうか・・・これぞ「現代戯曲」と言える、問題作です。
以下、詳細です。
第65回『本読み会・ミュラー』
※第65回『本読み会・ミュラー』は、参加申し込みが定員に達しました。今後は、見学でのご参加のみ、申し込みを承ります。
■作家ハイナー・ミュラー
■作品
『ハムレットマシーン』(1977)
『指令』(1982)
※もしかしたら、その他にも何か読むかもしれません。
ハムレットマシーン シェイクスピア・ファクトリー (ハイナー・ミュラー・テクスト集)
メディアマテリアル ギリシア・アルシーヴ (ハイナー・ミュラー・テクスト集)
カルテット―ミュラー・コンテンポラリー (ハイナー・ミュラーテクスト集)
指令 (ドイツ現代戯曲選30)
■日時
2017年6月3日(土)13~17時
■場所
都内(文京区)
■参加費
300円
※これまでお一人様200円で運営して参りましたが、使用施設が変わったこと、赤字運営状況の改善のため、値上げをさせていただきました。ご了承いただければと思います。
■作品について
ーー私はハムレットだった。浜辺に立ち、寄せては砕ける波に向かってああだこうだと喋っていた、ヨーロッパの廃墟を背にして。ーー
この有名なフレーズから始まる、短い、しかし難解極まる一本のテキストが、演劇界に衝撃を与えました。シェイクスピアの名作『ハムレット』を解体し、その他様々なイメージとテキストを混ぜ合わせ、「戯曲」とも呼べない形に構成したのは、旧東ドイツ出身の作家ハイナー・ミュラーです。
演劇とは、ドラマとは、戯曲とは、言葉とは、一体何なのか。彼のテキストに触れてしまうと、それを考えなくてはならなくなります。ブレヒト後の演劇界を語る上では外せない存在ですが、非常に難解でマニアック、読んだところでどう楽しんだらいいものか皆目見当のつかないテキストなので、これまで『本読み会』でも扱わずにやってきました。
今になってようやくその内容が理解できるようになったーーそんな訳では決してありません笑。未だに読んでもちっとも分からないのですが、参加者と一緒に考えていけば、まあなんとかなるだろう、そんな自信だけは持っております。
当日は、彼が書いた他の作品や、その他のテキストなども併せて読みながら、「ハイナー・ミュラー」の味わいや、現代戯曲のあり方について考えていければと思っています。
(酔狂な)皆さんのご参加、お待ちしています!
■おねがい
作品は未読のままでもご参加いただけますが、全シーンを読まず、ところどころ飛ばして読み合わせを進める可能性もありますので、一度目を通してからのご参加をお勧めしております。
図書館やインターネット等を利用して戯曲を入手し、目を通していただければと思います。
(当ホームページの「戯曲の探し方」もご参照下さい。)
どうしても見つからない場合は『本読み会』までご連絡ください。こちらでテキストをご用意致します。
※特に今回は複数のテキストを扱うので、あまり負担にならないよう工夫したいとは考えています。
■定員について
参加者一人ひとりがしっかりとセリフを読めるよう、毎回定員を設定しております。(定員数は戯曲によって変動いたします。)
申し込み多数の場合には、見学でのご参加をご案内させていただきます。
皆様のご参加をお待ちしております!