第64回『本読み会・イプセン』/第64.5回『こっそり本読み会・イプセン』レポート

松山画伯にイプセンのイラスト描いてもらいました笑。配置の難しいイラストだったので、大きくドーン!と掲載しましたよ。
レポートは今回も、私、大野が書かせていただきます。



さて、第64回イプセン、第64.5回こっそりイプセン、ご参加ありがとうございました!
今回は、「ずっと嫌いだったイプセンを好きになれないだろうか!」と挑戦した経緯でしたが、結果から言えば、もう愛人くらいの関係まで発展してしまいました笑。

面白かったです、イプセン。
今回は、『野がも』『棟梁ソルネス』と二作読みましたが、そのどちらも驚くほどスタイルが違います。両方に参加された方は、その違いも含めて、楽しめたのではないでしょうか。

まず『野がも』。
これまで何度か読んできましたが、この戯曲、私にとっては、グレーゲルスという役に「なんなんだ、こいつは!」とイライラする戯曲だったんです笑。すごくはた迷惑なヤツなんですよね。。
しかし今回読んでいて、このグレーゲルスという役を大事に扱うことが、信仰や理想、人間の自由意志といった深遠なテーマを扱うことにつながるのではないかと思い直しました。
言ってみれば、以前はリアリズムの視点で戯曲を読みすぎていたということなのかもしれません。そう捉えて読んでみると、作品の魅力もグッと増してきます。「こんな演出したら面白そう・・」とか、いろいろ浮かんできてしまいました笑。読んでみて良かったです。

次に『棟梁ソルネス』。
家で黙読している時はそれほど感じなかったのですが、この作品、登場人物の意図や想いが謎に包まれたまま展開していくので、ミステリーやサスペンスのような雰囲気があるんですね。声に出しながらじっくり読んだことで、改めて感じられました。今回は初見で読まれた方も多かったので、その方たちが途中に話していた感想からも、そのことがよく分かりました。

また、『野がも』でも感じたことなんですが、イプセンはト書きが丁寧です。『棟梁ソルネス』の登場人物のセリフは、感情のアップダウンが激しくて、なかなか簡単には理解できないものが多いのですが、セリフ前の(重く)とか(さらに低く)などといったト書きの指示通りに読んでいくと、読むうちに役が肌に馴染んでくるような感覚がありました。イプセンは、よほど人間を観察していた人だったのでしょう。その観察力と想像力に感服します。

それと、『棟梁ソルネス』は、いわゆるイプセンリアリズムの形式を取っていて、登場人物同士の会話の連続で進行していくのですが、今回、その内実はソルネスやソルネス夫人の独白によって構成されている劇なんだな、という気づきもありました。これが今回最大の発見だったと思います。
語りのみの構成だとどうしても動きが少なくなるので、芝居としては退屈になってしまうのでは・・・と思っていたんですが、いやー浅はかな考えでした。
全然そんなことないんですね。一見理屈の通らない、狂気すら感じる論理展開も、語り手が丁寧に丁寧に語っていけば、聞き手に届いていきます。その繰り返しによって、イメージ、観念が舞台上に練り上げられていく。それがこの劇の本質なんだなと感じました。やりおるわい、イプセン。

 

というわけで、やはりイプセン、只者ではありませんでした笑。皆さんも、いくつか読み比べてみると楽しいと思います。好き好き!イプセン!

あ、あと松山から、イプセンイラストのボツ案というのも送られてきたので、それも以下に載せておきたいと思います。それでは!
(大野)

 

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