本来ならば、そろそろ『読んで楽しい!現代戯曲』シリーズの後編に入るべきなんですが、まだ松山君がイギリスから帰ってきませんし、今回も僕の好き勝手で作家を選ばせてもらいました。
以前にも一度『本読み会』で読んでいますね。近代劇の父、ヘンリック・イプセンです。
以下、詳細。
※第64回『本読み会・イプセン』は、参加申し込みが定員に達しました。今後は、見学/キャンセル待ちでご案内いたします。
第64回『本読み会・イプセン』
■作家ヘンリック・イプセン
■作品
『野がも』
翻訳:毛利三弥
収録:イプセン戯曲選集―現代劇全作品
『野がも』はイプセン中期の作品の一つで、イプセンの最高傑作に挙げる人も多い、優れた作品です。
上記、Amazonへのリンク見ていただければ分かりますが、選集は6000円以上します。素晴らしい本で値段の価値以上は確実にありますが、手に入りやすいのは、原千代海先生の翻訳の岩波文庫版です。
野鴨 (岩波文庫)
みなさん是非読んでみてください!
■日時
2017年3月5日(日)13~17時
■場所
都内・千代田区周辺
■参加費
諸経費として、お一人様200円
■作品について
作品がまだ決まってないので、なんで今回イプセンを選んだのか、ということを書きたいと思います。(追記:その後、作品は『野がも』に決定しました。)
最近、知人の作家さんがイプセン代表作『人形の家』について書いている文章を読みました。
イプセン『人形の家』について/docments
これを読んで、「ほほう」「懐かしいな!」と思いました。イプセンの作品は『本読み会』でも一度読んでおりますが、実は私、あまりイプセンの作品は好きではないのです。やはり古さを感じるし、面白さが今ひとつピンとこないんですね。
『人形の家』も学生時代に何度か読んだ後は、ずっと本棚に眠ったままだったのですが、しかしこの文章を書いた清末さんは、大変物語の読める方で、私は彼の読書を信頼しています。彼がイプセンをこれだけ丁寧に読むんだし、やはり重要な作品なんだろうな、と思い、早速読み直してみることにしました。
読み直した結果、まあやはりあまり好みではなかったのですが笑、ちょっと興味が湧いてきました。イプセンはどのよう人物で、どんな時期に、何のためにこの戯曲を書いたのか、そんなことが気になってきたのです。
以前『本読み会』で読んだのは、イプセンの代表作の一つ、『ヘッダ・ガーブレル』でした。作品選びの際、イプセンの代表作はほぼ読んだのですが、面白いことに彼の作品は書かれた時期によって作風がだいぶ変わります。
『ヘッダ〜』は、イプセン中期の最後、もしくは後期の初めに位置する作品で、自然主義的な作風の中に、象徴主義的な雰囲気が入り込んでいます。僕はイプセンの後期の作品はわりと気に入ったので、その時の『本読み会』では『ヘッダ〜』を読むことにしたのですが、今イプセンの諸作品を読み直してみたら、どのように感じるか、どの作品が気にいるのか、それを確認してみたくなりました。
さて、戯曲をホントに味わおうと思ったら、(自画自賛になりますが)『本読み会』で読むのが一番です。次回の作家はイプセンと決めました。今は、早速注文した『イプセン戯曲選集』を読み直しながら、どの作品を選べばイプセンの魅力を発見できるのか、考えているところです。
今書いてて気付きましたが、私はイプセンの魅力に気付きたくて仕方ないようですね。
私にとってのイプセンは、「嫌いなんだけど気になって仕方ない」という、少女マンガの恋人役みたいな作家なんだと思います。何とか彼の新しい魅力を見つけて、「イヤなヤツだと思ってたけど・・・ホントはいいところ、あるじゃん!」って、キュンとしたいんだと思います。
さて、長々と書きましたが、以上が作家イプセンを選んだ理由です。一緒にイプセンにキュンとしたい方は、どうぞご参加ください!
追記
ちなみに以前『ヘッダ・ガーブレル』を読んだ際、自分はイプセンについてどんなことを書いてたかなと検索してみたら、あれはまだ『本読み会』ホームページ開設前のことだったのですね!レポートなど、何も残っていませんでした笑。
が、作家・演出家・翻訳家の谷賢一さんが参加してくれていたようで、その時のことを書いてくれていました。ご紹介しておきます。
本読み会・イプセン『ヘッダ・ガーブレル』を読む/PLAYNOTE
大学がはしかで入れなかったとか、すごい懐かしいです!当時は大学の教室を利用していたんですよね。
イプセンについては、「つまんねーよ!」と豪語していたようです笑。そこまで言わなくてもいいのに。。まあ、少女マンガで言う、「あんなヤツ大っ嫌い!!」の時期だったのかもしれません笑。
■おねがい
作品は未読のままでもご参加いただけますが、全シーンを読まず、ところどころ飛ばして読み合わせを進める可能性もありますので、一度目を通してからのご参加をお勧めしております。
図書館やインターネット等を利用して戯曲を入手し、目を通していただければと思います。
(当ホームページの「戯曲の探し方」もご参照下さい。)
どうしても見つからない場合は『本読み会』までご連絡ください。こちらでテキストをご用意致します。
■定員について
参加者一人ひとりがしっかりとセリフを読めるよう、毎回定員を設定しております。(定員数は戯曲によって変動いたします。)
申し込み多数の場合には、見学でのご参加をご案内させていただきます。
皆様のご参加をお待ちしております!