ももクロ主演、本広克行監督で話題の映画『幕が上がる』を観てきました。もうご覧になった方も多いかと思いますが、平田オリザ原作の、高校演劇を題材にした青春映画です。
何を隠そう、私も松山も高校演劇出身。野球や水泳、吹奏楽部を扱った映画はあるのに、何故演劇部はないのだ、と常日頃思っていたので、ようやく来たか!といった感じです。
いや〜、しかし、実に世間での高校演劇の認知度は低い!
「高校演劇の大会で・・・」なんて話をすると、「え?大会なんてあるの!?」と驚かれることも多いです。そもそも、芸術教育の中に演劇が入っていないとはどういうことか。海外では、「音楽」「美術」に並んで「演劇」の授業を選択できたりするんですよ?もし学校に「音楽」の時間がなかったら・・・そう考えると、どれだけのものが学校教育から失われているか、何となく想像できるのではないでしょうか。
実はここ数年、高校演劇サミットというイベントが催されているのですが、関わっている友人から聞いた話では、今年のサミットは「幕が上がる」効果で大盛況だったとか。映画の力、ももクロの力はすごいですね。
映画を観て演劇に興味を持たれた方もいらっしゃると思います。そういう方は、高校演劇に限らず、是非劇場に足を運んでいただければと思います。スポーツと一緒で、画面で観ても魅力はなかなか伝わりません。是非生で観て、空気を味わっていただければと思います。
さて、ここからは、映画『幕が上がる』の感想。
(特にネタバレは無いです。)
とても楽しく拝見しました。私はももクロのことはよく知らないのですが、共演者も含めて一人ひとりがとても魅力的だったと思います。
また、演劇の魅力、たとえば演劇は一人では出来ないというところとか、言葉を通して人と人がつながるというところが、よく描かれていたと感じました。演劇って、通常人の目に触れるのは本番の舞台だけですが、本当に面白いのは、それまでの部分、つまり”幕が上がるまで”だと思います。その面白さが伝わる映画でした。
(我田引水になってしまいますが、『本読み会』の活動もそういう部分。戯曲の言葉がどう立体化していくか。面白いところです。)
まだしばらくは上映もあるようです。映画をまだ観ていないという方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
しかし・・・自分の高校時代も、この映画のようにキラキラしていただろうか。
まあ、していたんだろうな。
(大野)
映画『幕が上がる』公式サイト
原作本『幕が上がる』 (講談社文庫)