第39回『本読み会・チェーホフ』レポート

chekhov1 2013年最初の『本読み会・チェーホフ』。名作は、一行目から名作でした。



 

今や近代演劇の代名詞、大劇作家チェーホフがまだ医学生だったころ、短編を書いては編集者に送って日銭を稼いでいたことは、あまり知られていません。
ともかく笑わせなければならなかった。当てなければ食えなかった。
「起承転結に則って4コマを描く作家はプロにはおりません。笑ってもらってナンボの現場には『秀作』と『凡作』の別以外なにもありゃしません」
とは、4コマの巨匠いしいひさいちの言葉。これが、現場の真実だ。

そして、そんな中から編み出された短編戯曲の名作中の名作、『熊』と『結婚申しこみ』。
筋立て、登場人物、対話・・・新しいことは何も出てこない短編戯曲のはずなのに、参加者一同、その巧緻な劇作術に舌を巻きながら読み進めます。
44歳という若さで早世したこの作家は88歳くらいの技術と経験をもって、極上の短編を次々と世に送り出してきました。まさに職人芸。
なんなんだ、この巧さは?声に出して読んでみるとそれがよく分かるのです。

「そっちこそ、詩みたいな生きものだから、どんなに人を侮辱したってかまわんとでも思ってるんですか。え?よし、決闘だ!」

簡単に書けそうでいて、絶対に書けないこの台詞。この展開。
『かもめ』と『桜の園』だけ読んでたんじゃもったいないぞ!

年始(といっても19日ですが)ということもあり、今回は神保町の老舗喫茶店の一室をお借りして、飲みながら食べながらの『本読み会』となりました。
昔はよくやってたんですけどね、このスタイル。
酒には、笑いと涙の入り混じった戯曲がよく似合う。

『本読み会』はここ数年間、年初めに「お正月だよ!」シリーズを敢行してまいりました。
もともとは「お正月だよ!シェイクスピア」と銘打って喜劇を読んできましたが、いつのまにか悲劇も混じるようになり、だったら他の作家でもいいんじゃないかということで、「お正月だよ!チェーホフ」と相成りました。

今年はどんな戯曲を引っ張り出してくるのか?
みなさん、本年も『本読み会』をどうぞよろしくお引き立て願います。

(松山)

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