稽古場日誌7(遊びの話)

とうとう小屋入り前日です。
稽古は昨日で全て終了し、後は劇場での作業のみ。
いやー、時の経つのが早い早い。あっという間です。この分だと公演終わるのもあっという間なんだろうと思うと、劇場でたっぷり遊んでおこうと思います。



遊び。

これは今回の芝居のキーワードの1つです。「建築家」と「アッシリアの皇帝」の二人がごっこ遊びを繰り返す。これが「建築家とアッシリアの皇帝」という芝居の中心だからです。
「遊び」ということの定義には様々なものがありますが、その中から有名なものを二つ紹介しましょう。

まず一つ目はオランダの歴史学者ホイジンガの定義。
この人は、人間(ホモ=サピエンス/知恵のある人)というのは、つまり遊ぶ存在なんだという意味で『ホモ=ルーデンス/遊ぶ人』という概念を打ち出したことで非常に有名です。知ってらっしゃる方も多いかと思いますが、そんな彼の遊びの定義がコレ。

「遊びとは、一定の時空の限界内で完了し、自由に同意された、しかし完全に定言的な規則に従い、それ自体のうちに目的をもち、緊張と遊びの感情、日常生活とは違うという意識を伴う自発的な行動あるいは活動である」
(ホイジンガ『ホモ=ルーデンス』より)

決められた時間と空間の中で、ただそれをする為だけに、非日常の行為を行う・・・これ演劇の定義じゃないの?

次はフランスの思想家カイヨワによる遊びの6つの特徴。
彼はホイジンガに影響を受けて「遊ぶことと人間」という本を書き、これがかれの代表的な仕事となりました。

1、自由な活動であること。つまり、強制されないこと。もし強制されれば、遊びはたちまち魅力と楽しみを失ってしまう。
2、隔離された活動であること。あらかじめ決められた時間と空間の範囲内に限定されていること。
3、ルールのある活動であること。日常におけるルールは停止するが、その代わり遊びの中だけで通用する一時的なルールに従う。
4、虚構の活動であること。現実に対する第二の現実、または全くの非現実であるという意識を伴うこと。
5、不確定の活動であること。遊ぶ人の自発性のもとに自由に活動が行われる為、先がどうなるかは分からない。
6、非生産的な活動であること。何も新しい要素を作り出さないことも多い。始めたときと同じ状態に帰着する。
(カイヨワ「遊ぶことと人間」より)

これもそのまま演劇の定義になりそうです。特に非生産的な活動だってところなんて、思い当たりすぎて悲しいくらい!
台本があるんだから不確定じゃないだろーって声も聞こえてきますが、これは世界中の演劇人が何世紀にも渡って議論してきて未だ結論が出ていない領域ですので、今は置いておくことにしましょう。

さて、明日から私達は劇場に入り、二人の俳優とスタッフ達、そして劇場に来ていただいた全てのお客様が遊ぶための時間と空間の用意をはじめます。

いやー、何て言うか・・・

すげぇ楽しみ!!!!!!

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